大学生のシズカツさん~静岡就職活動研究サークル~


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静岡エフエム放送株式会社(K-mix)

総務部長 鈴木正行氏   編成制作部 高橋茉奈さん

  • UP : 2016/11/17
  • 静岡県浜松市中区

人と人とのコミュニケーションを生み出す「ラジオ」の仕事

最近、いつラジオを聴きましたか?災害時に強いメディアとして第一に挙げられる「ラジオ」ですが、実は私たちの日常のあらゆるシーンを彩る唯一無二のメディアになっています。静岡県内で30年以上にわたりラジオを放送し続ける静岡エフエム放送株式会社。ラジオを仕事にするということ、それは単純な情報発信ではない、コミュニケーションを生み出す仕事でした。

ラジオ一本で残り続ける唯一無二の会社

 「ラジオの仕事=パーソナリティ」の印象が強いですが、ラジオ局にはパーソナリティの他に番組制作に携わるディレクターやプロデューサー、スポンサーを集め番組制作を支える営業、会社全般の労務や経理を行う総務などがあります。

 停電にも動じず、電波がある限り情報を届けることのできるラジオは、災害時に強いメディアとして絶対になくならないとされていますが、なかでも静岡エフエム放送株式会社、通称「K-mix」は、スズキやヤマハ、静岡新聞社、静岡銀行など静岡の名立たる企業が主要株主。1983年に開局以来、30年以上にわたり「ラジオ」を仕事にしてきました。

 K-mixのコンセプトは「ALWAYS BE WITH YOU ~いつもここにいるよ~」。身近で安心感を与えるようなラジオを目指して構成される番組は、リスナーが参加することが大きな特徴です。実際にスタジオにリスナーを呼ぶ、放送中に電話をつなぐなどパターンは様々。一方でラジオ番組の制作に留まらず、パーソナリティと行くミステリーツアーや観劇ツアー、アウトドアファッション誌とのコラボイベント「GO OUT CAMP」など、ラジオやパーソナリティを起点としたイベントも多数企画。リスナーを意識した企画を多数打ち出すK-mixは、番組以外でも人気を集め県内断トツの聴取占有率67.3%(主なリスナー層である1239歳において)を誇っています。

番組の花形・パーソナリティのお仕事

 今回お話を伺ったのは入社2年目のパーソナリティ 高橋茉奈(たかはし まな)さん。北海道出身で、大学時代は東京の大学へ通い、就職を機に静岡県へやってきたそうです。高校生の頃からアナウンサーになりたかったという高橋さんがラジオのパーソナリティを目指すきっかけになったのは就職活動中に偶然参加したK-mixのアナウンスセミナーでした。「自身の経験や蓄積を言葉にして伝えられるラジオの仕事に興味をもちました」と高橋さん。現在は生放送番組「K-mixみんなの19HR!」や、日本武道館ライブを紹介する収録番組「にっぽん武道館の、いっぽん!」、その他にもニュースやお天気の生放送を担当しているそうです。

 高橋さんがラジオの世界で働き始めてから驚いたのは、番組の仕込みの長さや綿密さだと言います。例えば2時間の生放送番組であれば5〜6時間は仕込みをするそうで、パーソナリティ、ディレクター、プロデューサーが一緒になって番組の内容を構成するそうです。電話やSNSなどを使い、リスナーに出演・参加、発信してもらう仕組みを設けたり、プライベードでもライブやフェスに足を運んで情報収集をしたりするなど、番組の作り込みに抜かりはありません。

番組制作との両輪・営業のお仕事

 K-mixによると、一週間に1日以上でもラジオを聴く人は、放送区域内で約55%(約186万人)。その内訳を見ると、毎日聴く人は約15%ですが、週に3日以上ラジオを聴くというヘビーリスナーは約45%にものぼります。新聞やテレビ、SNSなどが日常の情報源はさまざまにあるなかで、ラジオが成り立っているのは番組制作の裏に秘密があります。

 現在、総務部で主に経理や人事、労務などの業務を担当している鈴木正行さんは、K-mix入社以来、ラジオの営業を15年務めていました。鈴木さんによると、営業の仕事は大きく広告代理店への営業と、お客様への営業の二つがあるそうです。CMを使っての広告展開の提案の他、自社制作比率が高いからこそ可能な、お客様のオリジナル仕様で番組コーナーを制作、放送するといった提案もあります。

 特に鈴木さんが担当した中で印象に残っている番組は、「大切な人の誕生日にメロンを贈ろう」というコーナー。リスナーの思いがこもったメッセージが流され、その相手にメロンが届く。スポンサーとしてはメロンを買ってもらう需要喚起につながり、リスナーには誕生日プレゼントとしてメロンが届くというどちらにとっても良い企画でした。よりお客様のメリットが出るような仕組みで番組をつくって、且つリスナーも楽しんでもらえるような番組になればそれは看板番組になるほど長く続く傾向にあるそうです。

災害時だけじゃない「日常遣い」のラジオ

 災害時に役立つラジオの普段の姿は、単に情報を届けるだけでなく、パーソナリティとリスナー、リスナー同士のコミュニケーションのツールでもありました。ちなみに、鈴木さんも小学生時代からラジオに何度も何度もはがきを投稿し、ラジオで自分の投稿が読まれる面白さに魅かれていったそうです。「聴く側までもが参加して放送をつくるラジオは楽しい仕事だなあと、当時から憧れていましたね」と鈴木さん。「パーソナリティとリスナーの距離が近いからこそ本音も出る。他のメディアにはない特性で聴いていて楽しいよね」と、ラジオの魅力を教えてくれました。 

 情報を得るのであればインターネットやテレビの方が圧倒的に早く、便利です。そこに付加価値をつけるのがラジオの場合、パーソナリティであり、言葉の力であり、そこから生み出されるコミュニケーション。パーソナリティを務める高橋さんは、「流されて消費されていく情報に自分の経験を加えることで、リスナーが一生、心の中に留めたくなるような言葉を紡ぎだしたい」と言います。「ラジオの魅力は人のつながりから生まれる」、ラジオの仕事が絶対になくならない理由は災害時に必要なメディアという理由だけではなく、ラジオ特有のコミュニケーションがあるからだと感じました。

取材チームの感想
今回K-mixさんへの取材を通して印象に残ったのは、華やかなラジオ放送現場の裏にある「面白く、リスナーに愛される番組」を作ろうとする真剣な姿勢でした。立場や職種は違っても同じ熱い思いを持って番組づくりをされているからこそ、ラジオならではの面白さがリスナーに伝わるのだと感じました。笑いも安心感も生み出してしまうラジオの魅力は奥深いです!