大学生のシズカツさん~静岡就職活動研究サークル~


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清水芸妓置屋共同組合

清水芸妓 梅香さん はぎのさん 真琴さん ねね子さん 小町さん

  • UP : 2016/07/28
  • 静岡県静岡市清水区

次郎長の街・清水の、美しくて粋なプロフェッショナル

芸者さんといえばどこのイメージ? 京都? 東京? いやいや、静岡市清水区にも芸者さんがいるんです。明治の昔から続く、港町の粋な伝統をいまに伝える美しい女性たち。富士山、三保の松原の世界遺産登録で、今メキメキ成長する清水の観光事業を支える担い手でもあります。清水芸妓さんを知らなかったキミもこれを読めば興味が湧いてくること間違いナシ!

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芸妓さんってどんなお仕事?

芸妓さんとは踊りや三味線など、日本の伝統芸能で宴席を盛り上げる、芸を極めたプロフェッショナルの女性たちのことを言います。
一日のスケジュールは、午前中はお稽古をして、お昼に自宅に戻ってお座敷の支度をし、夕方にはお座敷に向かうというのが一般的です。お座敷でのお仕事は、季節の踊りなど、お座敷に合わせた踊りの披露や、お客様とお話しをしながら、お酌をすること。
芸妓さんと聞いて、お座敷ではんなりとして座っているだけのイメージを持つ人も多いかもしれません。でも、実際はそんなイメージとはちょっと違うようです。「お座敷でも、ただ座ってるだけっていうのじゃなくて、お客様とお話ししたり、お酌をしたり、そのお酒を取りに行ったり、ほとんど座っていることの方が少ないくらい」と語るのは、芸妓になって今年で5年目の真琴さん。お稽古も、最初は全身筋肉痛になる程厳しいものだったといいます。それでも、「お稽古でお姐さんたち(芸妓さんの世界では先輩のことを「お姐さん」と言います)に踊りや、鳴り物を教えていただいて、お客様にご披露したときに、上手くなったね、よかったよ、と言ってもらえると、お稽古頑張ってよかったなと思うし、今日は楽しいお座敷だったよ、ありがとう、って言ってもらえると、自分は上手くこの場を盛り上げることができたんだなって、嬉しくなります」大変なことは多いけれど、日々、他の仕事では得られないやりがいや、達成感を感じるのだそうです。

 
ひとそれぞれ「芸妓」という仕事との出会い

清水芸妓というお仕事を選んだ理由を、真琴さん(写真左)、ねね子さん(写真中央)、小町さん(写真右)の三人の若手芸妓さんに伺いました。
真琴さんは根っからの日本史好きであったことがきっかけだそうです。「日本史を調べてると、やっぱり着物や、お三味線、鳴り物、楽器などが出てくるので、そういった物にも段々と興味を抱くようになって、直接触れるような仕事がしてみたいと思いました」とのこと。
「踊ることが好きで、着物を着るのも憧れだったので、それで応募しました」と話すのは今年で4年目のねね子さん。福島県のご出身であり、福島で清水芸妓の募集を知ったそうです。
今年で3年目の小町さんは常葉短大の卒業生。短大を卒業してからしばらくは別のお仕事をされていたそうです。芸妓さんに転職した理由を伺うと、「その時やっていた仕事も、ものすごく嫌ってわけじゃなかったんですけれど、言われたことをただやってて、これでいいのかなぁ、ちょっと変えたいなぁと思ったんです。そんなときに芸妓募集のポスターを見たんです。私はまだ、この中でも一番未熟で、着物の袖も長いんですけれど、それがお姐さんたちのようになっていくと、だんだん格好が大人になっていくんですよ。個人的な目標になってしまうんですけれど、一本さん(ひとり立ちした芸妓さん)になって、格好だけじゃなく、芸事やお座敷での振る舞いも、今よりランクアップしていきたいなと思ってます」

 
活躍の場は観光、そして世界へ!

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   清水港への外国からの客船の来航数は年々増加していて、2016年は過去最多となる見通しです。そんな外国人観光客の方々のお目当ては、もしかすると世界遺産のフジヤマではなく、清水に到着して華やかにお出迎えしてくれるGEISHA=清水芸妓なのかもしれません。
4月12日に来航した豪華客船クリスタルセレニティのお出迎えには真琴さん、ねね子さん、小町さんの三名の方がいらっしゃっており、その際も芸妓さんはたくさんの観光客の方に囲まれ、写真撮影をお願いされるなど、大人気でした。料亭でランチを食べている間に、芸妓さんが踊りを披露したり、観光客の方にお座敷遊びを体験していただいたりといった観光プランもあるとのこと。「観光のお客様に喜んでいただけるよう、踊りの数も多いですし、傘や扇子の小道具を持って、外国の方が見てわかりやすい踊りを選んでいます。あとは、お座敷遊びの種類もいろいろ考えたり」おもてなしを様々に工夫されているそう。このように、最近では清水の観光事業を支えるという大きな役割を担っていらっしゃるわけですが、一方で、地元である清水静岡での伝統的なお座敷のお仕事ももちろんこなしています。お祝いの席や会社の総会などのパーティーなどに呼ばれることも多く、新年会忘年会といった宴会シーズンにはお座敷の場も増えます。
「こういう時代ですから、外国の方にも楽しんでいただきながら、それでもまずは地元の方、静岡清水の方にももっと知っていただけるように、活動できたらいいなと思います」と、みなさん口をそろえておっしゃいます。

静岡市清水の街ぐるみで応援されて

現在、清水芸妓置屋共同組合では新人芸妓さんを募集中。新人芸妓さんは当初3年間は静岡市の伝統芸能振興会から月額20万円の所得補償が受けられ、家賃の一部、お稽古の費用なども負担してくれるのだそうです。「よくお客さんからも「アルバイトなの?」と聞かれるんですが、この仕事一本でやっています」と真琴さん。それも全ては、芸妓さんという文化を守っていこうとする、芸妓のみなさん、それから静岡市清水の街のたくさんの人々の思いがあってこそなのでしょうね。
「入ってきた子が、ここにきてよかったなと思えるように、自分を律して、もちろん芸事をもっと、精進して、お座敷も増えるように、存続できるようにしていきたい、それが、これから先の目標です」と話すのは、お稽古おわりに本取材に顔を出してくださった梅香さん、はぎのさん。お二人は、若手芸妓である真琴さん、ねね子さん、小町さんのお姐さんです。
取材の最後に、芸妓さんって恋愛って禁止なんですか? と聞くと、梅香さんは「大いに恋愛してお嫁に行けって言ってます。いまは自由恋愛ですから」と笑っておっしゃっていました。「でも、結婚するなら突然じゃなくて、ちょっと前に教えてほしいわ、心臓に悪いから(笑)」
今年で芸妓になって5年目の真琴さんは、これからの目標を「経験を長く積まれてるお姐さんのアドバイスをしっかり受け止めて、自分の中で噛み砕いて、理解する。でもその中でもそっくり真似するんじゃなくて、やっぱり自分のカラーをうまく加えて、真琴として出していけるようにしたいです」と、きらきらした眼差しで教えてくれました。
清水の人々に支えられ、清水を支える芸妓さんというお仕事。「ずっと続けていけたらいいな」とおっしゃるはぎのさんの言葉が印象的でした。

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取材チームの感想
清水芸妓のみなさんは日々磨いた「芸」を売る、本物のプロフェッショナル集団でした。一人前の芸妓を育てる貴重な環境が、芸妓の伝統を守ろうという地元の人々の熱意によって支えられていること、世界に誇る日本文化として現在も清水で活躍していることを知れて、同じ静岡人として誇らしい気持ちになりました。今後も清水に、静岡に、世界に、愛される清水芸妓さんの活躍の場は広がって行くのでしょうね。私もがんばらないと!